blank13 2018/02/18 鑑賞&舞台挨拶 レポート
引き寄せの法則とは本当に存在するのだろうか。
上映
今回の上映は、私にとって3度目の鑑賞となる。
ストーリーはもちろん、台詞も間合いも頭に入ってきているので、今回は少し視点を変えて楽しめた。
注目して見ていたのは、神野三鈴さんと波岡一喜さんの存在。
長男ヨシユキが実家のアパートで、余命三か月の父親の見舞いに行くかと母と弟に尋ねるシーン。
「また変な借金背負わされても、たまったもんじゃないしな」と震える声で毒づく弟コウジ、それに続き「俺もパス」の一言でさらりと続く兄ヨシユキ。
母さんは、の問いに、私は…行かない、と母。
一拍おいて答えた直後、左手を口元にあてがう仕草が、抑えていないと飛び出してきそうな自らの本音を物理的に押しとどめようとしているように見えた。薬指には結婚指輪がはめられている。
初見のときにラストで感じた、夫婦のストーリーが、こんなところにも散りばめられていたことを知り、その新鮮さに感じ入った。
そして波岡一喜。
恥ずかしい話だが、劇中に出てくる取り立て屋が波岡一喜だと頭の中でつながっていなかった。
役者と役柄がつながった後、改めて、波岡一喜、ものすごい役者だと痛感した。知った上で意識して見たからこそ波岡さんだと思えたが、完全にストーリーの中に彼自身が落とし込まれていて、それはもう見事なのだ。
彼演じる取り立て屋は、要所要所、物語のキーとなるポイントで登場するのだが、その存在感は圧倒的だ。
舞台挨拶
司会は水野悠希アナウンサー。原作者のはしもとこうじ氏の奥様だ。
斎藤監督に紹介された際には、何かのお役に立てればと思い司会を引き受けましたとコメントされていた。
まずは上手より高橋一生の登場。
昨日の大阪舞台挨拶が全身真っ白衣装だったため、東京は真っ黒なのではと冗談で言っていたのだが、本当に黒づくめの衣装での登場となった。
黒ジャケット、黒カットソー、黒パンツ。革靴を履いて、髪は少しコテで巻いてある。
高橋一生登壇直後、司会の水野さんから、「今日は他にもゲストが来ているんですよね、高橋さんのお友達といったほうがよろしいでしょうか」と意味深なご案内が。
心の中では「団吾師匠!!」と大喝采だった。
今回は波岡さんに注目して鑑賞したいと思っていた矢先、まさかの本人ご登場で大感激。
舞台挨拶中盤で、高橋一生が昨日の大阪は一人だったからべらべら喋っちゃって、と話すと、波岡一喜が「予定空いてたのに」と返していたので、本当に呼んでいたら行ってくれていそうな感じでした。
司会から、「皆さんけっこうお付き合いが長いんですよね」と振られると、高橋一生とについて、ボクシングのドラマで共演して以来と波岡。
1ポンドの福音ですねと思いながら、これを機にもう一回見直そうと決意。
共演者の話になり、水野さんからのフリで山なり兄さんの話が再出。
「フジテレビの番組でも話していらっしゃいましたが村上淳さんとはお付き合いが長いんですよね」と高橋一生に話を振る。
テレビでも放送されたバスケの上手い山なり兄さんの話を高橋一生が語り、それをうんうん相槌を打ちながら聞く波岡一喜。
「山なり兄さんが雑誌にめちゃくちゃ出てて~」の下りで、波岡一喜から「メンズノンノやろ?」みたいなコメントもあり。
テレビでこの話が流れたときに、ちょうど村淳が見ていたらしく、すごい喜んでたよと斎藤工。それに驚きながら、よかった~と目をぱちぱちさせる高橋一生。
後半は波岡一喜が高橋一生を褒める褒める。「事務所の先輩の六角精児さんも言うてたけど、俳優で飲んだりすると、だれがうまいとかって話しになって、高橋一生って名前が挙がるとみんなが高橋一生はうまいって同意する。今回の作品もそう。」
高橋一生と波岡一喜は、完成後初めて作品をみたタイミングが一緒の試写会だったそう。波岡氏が、おっきい帽子の人がおるわーと思ったら一生さんだったと。
こういう細かい情報がファンにとってはうれしい。
鑑賞直後、波岡一喜はハチ公前からシンガポールにいた斎藤工に電話をかけたと。俳優として邦画はうがった見方をしてしまうが、この作品はそんなこと全くなくて本当によかったというようなコメントで、斎藤工も波岡一喜のことを本音で評価してくれる人だから、めちゃくちゃよかったと言ってくれているのがすごく伝わってきたと斎藤工。
斎藤工監督より、撮影自体は一週間で終わったけれど、編集に半年かかった。何度も何度も同じ映像を見るが、見るたびに高橋一生が新しい見え方をして。
皆さんも二度三度見て楽しんでほしいと最後締められた。
主観
高橋一生は、気の知れた仲間との登壇だったからか表情は明るかったが、照明の問題か、終始顔にお疲れの色が見えて気になった。
話すときは壇上の人物の顔を見ながら話していたが、マイクを下ろしている間は、足元か、2階の映写室あたりを見ていることが多かった。
他の人が話している最中に客席と目を合わせると、きゃあきゃあ言われるので気を遣っているのかなと感じたり。真意はわからないけれど。
立ち位置が下手に水野アナウンサー、高橋一生、波岡一喜、斎藤工の順だったのだが、冒頭にも書いたが照明の問題か、とにかく高橋一生の顔が暗い。
きっと影が落ちていたのだと思うが、目の下が暗くて、クマができるほどお疲れなんじゃないかと心配になった。たぶん、実際は本当に照明の問題かと思うが。
これから舞台挨拶をまだ控えているということなので、体調に気をつけながらこの作品を多くの人に届けてほしい。